当社事例
更新日:2024/01/05
テーマ: 04.コーポレート・ガバナンス
リスクマネジメント体制の再構築事例
該当領域・事業
事業内容:非公開
上場市場:東証プライム
企業のニーズ・課題
リスクマネジメント体制及び運用において、業務効率や実効性の面で問題意識を持っており、次のようなニーズがあった。
1.リスク抽出・評価の実効性を向上させたい
(ア)毎年同じような評価、リスク事象が起きても評価に反映されていない等、リスクアセスメントが適切に行われているのかに不安がある
(イ)専門外の領域についてのリスク評価が難しい
2.リスク管理フローを見直し、業務効率化を図りたい
(ア)400ファイル近いExcelブックで管理をしており、集計もチェックもかなりの工数がかかっている
(イ)毎年実施しているが、経年でのリスクデータを蓄積して分析、活用ができていない
ご提案した施策のポイント
フェーズ 01
- 現状のリスクマネジメント体制及び運用状況について、COSO-ERMのフレームをベースに下記(ア)~(ウ)の実施により評価を行った。
(ア)使用帳票類及び関連規程の確認
(イ)主要事業部門、管理部門の幹部クラスへのヒアリング
(ウ)従業員へのアンケート
- 上記評価結果をもとに、課題抽出、改善の方向性の提示を行った
フェーズ 02
- 優先的に対応すべき部分に絞り、リスクマネジメント体制及び運用の見直しを行った
(ア)当社独自のリスク一覧表およびリスクマップの作成
(イ)リスク対応計画書の内容レビュー、修正依頼状の作成、改善ポイントの整理
(ウ)有価証券報告書の事業等リスクとリスクマネジメント結果の整合性調整
(エ)未然防止を目的とした潜在リスクの抽出・評価のプロセス追加
(オ)組織横断的な情報共有と対策の有効性の評価の機能追加
フェーズ 03
- 抜本的な体制・運用の見直しと新たなリスクマネジメント体制の整備を行った
(ア)3ディフェンスラインに基づく部門・部署の位置づけと役割の明確化
①部署単位ではなく部門・支店単位でのリスク管理体制へ変更(第1線)
②個別リスク別の所管部署の選定(第2線)
③内部監査室のリスクマネジメント体制での役割の明確化(第3線)
(イ)リスクマネジメントの体制図及び全体フロー図の作成
- 新たなリスクマネジメント体制・運用の導入及び定着のための運用支援を行った
(ア)実務者向け説明会資料の作成支援、説明会の開催、質問対応支援
(イ)新リスクマネジメント実施後の振り返り及びフローの作成・帳票類の改善
(ウ)次年度に向けた改善検討支援
成果・効果
・不十分だった機能やプロセスを追加し、より実効性の高いリスクマネジメントの仕組みができた
ポイント1:適切なリスク評価を行うために、現場と管理部門の役割を明確化
ポイント2:現場はリスク対策の実行に集中できる形にした
・業務効率化により、業務負担の軽減、対応人数の減少、対応時間の短縮に繋がった
・帳票の見直しにより、回収後の集計業務が容易になり、漏れやミスも減った
ポイント1:400ファイルから20ファイルへの削減
ポイント2:クラウドストレージシステム、ETLツールの活用導入
・潜在リスクの抽出及び評価のプロセス追加により、社内で発生した事故に対する備えだけでなく、他社で発生した事故も同じように起こり得るリスク事象と捉えて対応策を打てるフローになった
ポイント1:潜在リスクに関する情報源と収集体制の構築
・体制・運用の見直しに関し、期間を定めて取り組みテーマを設定し、一巡した後の振り返り、次年度に向けた改善を重ねていく支援方法をとった。これにより、主担当者のリスクマネジメント体制の構築・運用に関する知見も養われ、現在ではほぼ自走で進められるようになった
ポイント1:コンサルありきでない、内製化に向けた仕組みづくりと担当者様への丁寧な引継ぎトレーニングの実施
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