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2022/08/09

テーマ: 03.海外

タイの廃棄物管理、再利用率向上の背景と今後の動向

過去数十年の間に、タイの廃棄物管理は改善が見られ、あらゆる廃棄物の再利用率が向上した。 これは主に、タイ政府の政策や計画、投資優遇措置の整備・発効により、廃棄物管理システムが発展し、関連事業への投資が増加したためである。近年は、従来よりも効率的な廃棄物管理のサプライチェーンを実現するために、高度な技術の開発が進められている。タイにおける廃棄物管理は大きく進歩しているが、 持続可能な成長に向けた廃棄物管理やデジタルの統合においては、まだ改善の余地がある。

目次

タイにおける廃棄物の排出・管理について

タイにおける廃棄物の分類、定義

タイの廃棄物排出状況、排出量推移

2016年~2020年、タイ国内における固形廃棄物の総排出量は、年平均成長率-9%で推移した。2020年の総排出量は、2019年の4,600万トンから5%減の4,400万トンであった。

2020年の総排出量4,400万トンの内、都市廃棄物(MSW)が57%と最も多く、次いで産業廃棄物(41%)、有害廃棄物*(2%)となっている。

タイにおける廃棄物管理状況

都市廃棄物(MSW)

タイ政府は、プラスチック廃棄物管理計画(Plastic Waste Management Plan 2018-2030)、20ヵ年国家戦略の下定められた3R戦略(循環型経済実現のための削減、再利用、リサイクル推進政策 2017 – 2036 )等を策定し、タイ国内での適切な廃棄物管理を推進している。

タイ政府による様々な政策・施策の実行により、廃棄物の発生源の管理が改善され、処理が不適切な廃棄物の量は、2016年には約1,100万トンであったが2019年には約600万トンまで減少している。一方、再利用率は、2016年の21%から2019年には44%まで上昇した。

2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けており、不適切な廃棄の割合が増加している。これは、ロックダウン中、廃棄物の発生源での管理が行き届いていなかったこと、適切な処分場の操業停止による廃棄物処理能力の低下等が原因だと考えられている。

産業廃棄物

タイの産業廃棄物の排出量は、年々減少しており、その量は2017年から2020年にかけてほぼ半減した。

主な要因は、以下のタイ政府による廃棄物関連政策・規制、および新型コロナウイルス感染拡大による景気低迷に伴う国内生産の減少だと考えられる。
・Industry 4.0 (2017 – 2036):サプライチェーン全体での廃棄物削減、資源の有効活用を推進している。
・「廃棄物または廃材の廃棄に関する通達」B.E.2547(2004):産業廃棄物の排出者、運搬・処理業者向けに、産業廃棄物の管理・運搬・処理方法等を定めている。
・2018年以降、外国、特に中国からのリサイクル可能な産業廃棄物の輸入枠を制限している。

また、 タイ政府が国家戦略として掲げているBCG経済政策、その他、3Rを推進する関連計画、制度、恩典等により、産業廃棄物の再利用率も年々上昇。

2016年時点で約63%であった産業廃棄物の再利用率は、2020年に72%まで向上している。

有害廃棄物

家庭有害廃棄物と感染性廃棄物からなる有害廃棄物の2020年の排出量は、廃棄物総排出量の2%にあたる70万6,613トンであった。
家庭から排出される有害廃棄物の適正管理には、効果的な法律や規制の整備、消費者の廃棄物管理に対する意識を向上させる啓蒙活動が必要である。

都市廃棄物(MSW)の管理方法

一般家庭、飲食店、商業施設等から出た都市廃棄物(MSW)は、廃棄物回収事業者、廃品・廃棄物回収人(ウェストピッカー)、清掃業者等により回収される。

回収された廃棄物は、廃棄物中継所で分別され、埋め立て地や焼却施設に運搬される。一部は回収後、直接、廃棄物の販売事業者(ディーラー)に販売され、リサイクルされる。

タイにおけるMSWの管理に関しては、地方自治体ごとに異なるごみ収集・処理の方針が定められている。また、公共回収以外に、廃品・廃棄物回収人(ウェストピッカー)による回収も多く、地域や回収者によってその管理方法にバラツキがあり、未だ非効率・不適切な管理が行われている場合もある。

産業廃棄物の管理方法

産業廃棄物は、工業省工場局(DIW)の監督下、厳しく管理されている。
産業廃棄物を排出する工場は、工場から廃棄物を運搬する前に、DIWに許可申請または通知をしなければならず、また、地域社会への有害物質の流出を防ぐために、サンプリングによる廃棄物分析等を行う必要がある。
タイでは、廃棄物処理業者が廃棄物の分析から最終処理までワンストップで実施することが主流だが、中には廃棄物の運搬や分別等、一部の工程のみを行う業者も存在する。

タイにおける廃棄物管理事業者

現在、タイには4,473社の廃棄物管理事業者が存在しており、廃棄物回収、リサイクル用の廃棄物・スクラップ・資材の卸売、物質回収、廃棄物処理・処分を行っている。
タイの廃棄物処理事業の多くは、リサイクル用の廃棄物・廃材・資材の卸売業者で、その割合は64%と半数を超えている。同事業は、高額な投資を必要としないため、中小企業が多い。

タイの廃棄物管理事業の主要プレーヤー

廃棄物管理関連事業者の中では、産業廃棄物を取り扱っているリサイクル用の廃棄物・スクラップ・資材の卸売業者が最も高い収益を生み出している。

タイ政府の廃棄物関連政策・計画

タイ政府は、BCG経済政策、プラスチック廃棄物管理計画、3R政策等、タイの廃棄物管理システムを発展させるための様々な政策や計画を策定している。
その多くは、廃棄物の発生源での管理、廃棄物の削減、廃棄物の再利用・リサイクルの推進を目的としている。

廃棄物管理のデジタル化

BOI(タイ投資委員会)による投資優遇措置

タイにおける廃棄物管理の今後の動向

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執筆:YAMADA Consulting & Spire (Thailand) Co., Ltd.
(山田コンサルティンググループ株式会社 タイ現地法人)

 

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